ペルナンブーコとは(1):バイオリン弓 ビオラ弓 チェロ弓

バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの弓のスティック本体部分は、
ペルナンブーコと呼ばれる木でできています。

ペルナンブーコ、こんなかわいい花が咲きます。
弓の材料'ペルナンブーコ'の花

このペルナンブーコ。実はブラジルにしか植生していません。
現地では、この木はポルトガル語で"Pau Brasil"と呼ばれており、
("Pau" は「木」の意味)英語にするとブラジルウッド。

では、"ペルナンブーコ"という名称は、なんなのかというと、
実は、ブラジル北西部の同名の州の名からきた通称でしかありません。

通称:ペルナンブーコ
=学名:Caesalpinia echinata
=英名:Brasilwood
=和名:ブラジルボク

さて、このブラジルウッドという英名、 弓メーカーの価格表などで
一番安い弓の材料の表示名に使われたりしているので、
『"ブラジルウッド"は "ペルナンブーコ"とは全く異なる無関係な木』、
…というイメージを持っているかたも多いと思いますが、
それは、バイオリン業界が材料のクオリティの違いを示すために
ひねり出した表現方法による誤解で、
実は、"ペルナンブーコ"こそ、 ある意味、正真正銘のブラジルウッドなのです。

Caesalpinia Echinata
マメ目ジャケツイバラ科ジャケツイバラ属ブラジルボク。

マメ目なのでマメっぽい実もなる。
詳しいことは判りませんがジャケツイバラ科っぽさも満載でございますね~。 

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次回、このブラジルでしか採れない"ペルナンブーコ"が
バイオリン弓ビオラ弓チェロ弓に使われるようになった歴史をご紹介します(^-^)/♪

バイオリン弓ビオラ弓チェロ弓の販売
古賀弦楽器




ペルナンブーコとは(4):バイオリン弓 ビオラ弓 チェロ弓

ブラジルの木がバイオリンの弓に

さて、ポルトガルによってブラジルから大量に輸入されるようになった「ペルナンブーコ」は、
染料のほかにも船舶の材料などとしても使われ、ヨーロッパに各地に広まっていった。
そんな中、フランスで「ペルナンブーコ」を
バイオリン弓の材料として使うことを考える人物が現れる。

それが、モダン弓の生みの親、フランソワ・トルテだ。


なんで、そんなこわい顔してるの(・▽・;)?
Francois Xavier Tourte(1747~1835)

このすっごく不機嫌そうな顔の彼は、それまで弓に使われていた
スネークウッドやアイアンウッドと呼ばれる木に代わる
新素材を探しているなか、この「ペルナンブーコ」に行きついたのだ。
以降、バイオリン弓、ビオラ弓、チェロ弓は、
この「ペルナンブーコ」が広く用いられるようになり、
バイオリンとブラジルの分かちがたい関係が約200年続いている。

次回、『「絶滅危惧」ペルナンブーコの現状と将来』。


おまけ
バロック弓Vn:フロッグ バロック弓Vn:ヘッド 
スネークウッドを用いた、「バロック」仕様の新作バイオリン弓。
51.5g(モダン弓の標準は約60g)。弓毛の量はモダン弓の約半分。
やや反りを入れてあり、どちらかというとモダン楽器向き。

個人的な好み、考え方、演奏スタイルによるところですが、
モーツァルト以前の曲の演奏でこの弓を使うと、
重すぎる音を抜く努力があまり必要でなくなり、
イメージしていた音はこれなのかも!という音がラクに出てくれます。
販売価格105,000円(税込)




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バイオリン・ビオラ・チェロ
輸入販売修理「古賀弦楽器」

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ペルナンブーコとは(3):バイオリン弓 ビオラ弓 チェロ弓

ブラジルの国名の由来はバイオリン弓の材料「ペルナンブーコ」

ポルトガルによって、赤色の染料として「ブラジル」から大量に
ヨーロッパに輸入されるようになった「
ペルナンブーコ」。
当時、ポルトガルではその赤を「ブラーザ"Brasa"」と表現していた。
ブラーザは「赤く熾った炭火」の意で、 「ペルナンブーコ」は、
"Pau da Brasa"と呼ばれていた("Pau" は「木」の意)。

植民地時代の「ブラジル」の地図。先住民と思われる人たちに、伐採をさせているイラストが描かれている。

そして、この木が大量に輸入されるうち、
"Brasa"の木が取れる場所としてあまりにも有名になってしまったため、
この"Brasa"が語源となって、当初ヴェラ・クルス島と命名されていた
この地は、ブラジル"Brasil(Brazil)"と呼ばれるようになった。

そう。バイオリン弓の材料の「ペルナンブーコ」は、
ブラジルの国名の由来ともなった木なのです。



ちなみに、"brasa"「赤く熾った炭火」という表現は、
染料としてのペルナンブーコのその赤い色から
そう呼ばれるようになったと見られていますが、
ブラジルの先住民は弓矢の材料の他、
実際に薪としても「ペルナンブーコ」を使っていたそうです。


シュラスコ食べたい(☆▽☆)♪
シュラスコ(ブラジルポルトガル語:churrasco、シュハスコとも)は、鉄串に牛肉や豚肉、鶏肉を刺し通し、荒塩(岩塩)をふって、炭火でじっくり焼いたブラジルをはじめとする南米の肉料理。

燃やすと、燃え尽きるまで時間がかかり、
またあまり煙が立たないため、実際、良質の薪になるらしく、
私の友人がドイツのある弓製作者の工房のパーティーにいった際、
製作中に折れてしまった大量のペルナンブーコ端材が
バーベキューの薪に使われていたそうです。(もったいな!)


おまたせしました。。次回、ようやくこの「ペルナンブーコ」がバイオリンと出会います☆

ペルナンブーコとは(2):バイオリン弓 ビオラ弓 チェロ弓

【バイオリン弓の材料ペルナンブーコは染料】

1500年。ペードロ・アルヴァレス・カブラルの"発見"により、
ブラジルはポルトガルの植民地となる。

ポルトガルにとって、その"発見"の最大の意義は、
その地に大量に自生していた
"ペルナンブーコ"の木を発見したことにあった。

それは、この木が、
バイオリン弓に最適な材料だったから!…ではなく、
この木が、鮮やかな赤い色素(のちにブラジリンと呼ばれる)を
低コストに抽出することができる染料となる木だったからだ。

弓の材料ペルナンブーコから抽出される美しい赤。
↑ペルナンブーコから抽出される美しい赤。でもこの色素、毒性を持ってます。
そのためマスクやゴーグルを着用して製作するバイオリン弓製作者も多い。

それまで高価だった赤い色の染料が、
低コストで得られるようになったため、
庶民の衣服にも赤い色を使うことが出来るようになり、
ペルナンブーコは当時の、欧州ファッション業界に革命を起こした。


そして、ポルトガルは、この染料ペルナンブーコ輸入権の独占で、
莫大な財産を得ることになった。


【ペルナンブーコ・カクテル☆の作り方】

1.ペルナンブーコを削って・・・
ペルナンブーコの削り節

2.水にいれ、軽くステアして1分待てばできあがり♪
2.水に浸して1分待てば・・・
※ただし有毒です。作らない。作っても飲まない。


染料としてヨーロッパに輸入されるようになったペルナンブーコが
バイオリン弓に使われるようになるまでは、また次回( ´ ▽ ` )ノ☆